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「弁護士業界」勝手に解説-「道弁連大会」 [「弁護士業界」勝手に解説]

●道弁連~北海道弁護士会連合会の組織
今週は、年に一度、北海道内の弁護士が一堂に会する道弁連大会の週です。北海道の弁護士であれば「道弁連」という略称はすんなり耳に入ってきますが、正式名称は「北海道弁護士会連合会」なので、本州の弁護士の中には「北弁連」と呼ぶ人もいます。関東弁護士会連合会を「関弁連」、九州弁護士会連合会を「九弁連」と呼ぶのと同じように、弁連の頭の文字をとって略称を付けるのが一般的だからでしょう。

でも北海道に住んでいると、北海道新聞は「道新」、北海道経経済連合会は「道経連」というように、北海道の略称は「道」と呼ぶ方が一般的なので、「道弁連」の方がしっくりきます。

もうひとつ名前で勘違いしやすいのが、「日弁連」が「日本弁護士連合会」なので、道弁連も「北海道弁護士連合会」と思ってしまいがちなことです。
日弁連は、全国の弁護士会に所属している弁護士個人と弁護士法人それに全国52の弁護士会自体が会員として構成する組織ですが、道弁連をはじめとする各地の弁護士会連合会(弁連)はその地区の各弁護士会が会員の組織であり、弁護士会に所属する個々の弁護士は、直接は弁連の会員ではありません。そのため、「弁護士連合会」ではなく「弁護士連合会」となっているのです。

北海道には、札幌弁護士会のほかに旭川弁護士会、釧路弁護士会、函館弁護士会があり、道弁連はこの4つの弁護士会によって構成される弁連です。とはいっても、各弁護士会の会員数は、札幌が圧倒的に多数であるため弁連大会を単純に持ち回りでやっていては、地方会の負担が過重になるということで、札幌と地方3会を交互に開催地にして道弁連大会が開かれます。

●道弁連大会の目的
昨年は、旭川が開催地だったので、今年は札幌が開催地となっています。開催地の弁護士会は、前年の秋口ぐらいから実行委員会を設けて大会の準備を始めます。大会で何を行うかということについては、シンポジウムや大会決議の採択などを通じて、弁護士会の問題意識を対外的にアピールすることを行ったりもしますが、永年勤続表彰や各種レクリエーションなど、道内の弁護士の懇親の場という意味合いの方が強いかもしれません。

ゴルフ好きには、当然記念ゴルフ大会もありますので、道内の腕に覚えのある弁護士は、こぞってエントリーして腕を競います。優勝・準優勝などはハンディキャップがあるので、時の運というところもありますが、上級者が最も欲しいのはハンディなしのスコアトップがもらえるベストグロス賞です。

札幌弁護士会のライバルたちとは対戦の場は結構ありますが、他会の弁護士とはめったに同じフィールドで対戦することがないので、道弁連大会は久しぶりに他会のライバルと競う格好の場ということになるのです。
今年は、ゴルフ大会の会場が私のホームコースということで、多少のアドバンテージはありますが、コースを知っているから必ずしも良いスコアで上がれるとは限らないのがゴルフの難しいところなので、さてどうなることやらといったところです。

もうひとつ。道弁連大会は次年度に向けた準備開始の時期でもあります。毎年2月に実施される各弁護士会の会長・副会長の選挙は、道弁連大会を機に活動が始まるというのがこれまでのならわしでした。

選挙があるときには、道弁連大会の懇親会において、候補予定者が参加している会員にあいさつ回りをします。選挙がなくても、次年度の会務運営に協力を求める意味で、事実上の出馬表明をするのがこの時期なのです。

弁護士会の会務は、基本的に無償で行うものですし、会長・副会長ともなると、自らの本業を行う時間はかなり制約されるので、経済的にもかなりの負担を覚悟しなければなりません。それでも、その業務を自ら手を挙げて引き受けてくれるのですから、多くの一般会員は、会務運営を円滑に行って欲しいと願って会長・副会長に協力します。

その一方で、最近では、会務に全くといってよいほど無関心な会員が増えてきています。彼らは、道弁連大会が市内で開催されていても、全く興味もなく、もちろん大会の運営に関与することもありません。

その流れの行きつく先に、弁護士会の会員は、会費さえ払っていれば良いのではなく、会員として行うべき委員会活動なども重要な弁護士としての業務であると思っているのが良識ある一部の弁護士だけになり、その一部の弁護士だけで、弁護士会が取り組まなければならない多くの課題を担わなければならないという時代が遠くない時期に到来するかもしれません。

そんなことにならないように、私たち弁護士が横のつながりを強化し、道内の弁護士相互の交流を深めるのが道弁連大会なのです。

道弁連大会の時期は、弁護士がこの大会に出席するため、裁判所の期日が入り難くなったり、事務所に連絡しても弁護士となかなか連絡が取れなかったりということも起こりますが、それは弁護士が健全な会務活動を行うためには必要なものだということは、一般の皆様にもご理解いただきたいところです。


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「弁護士業界」勝手に解説-「為替デリバティブ損失とその解決」(3)・最終回 [「弁護士業界」勝手に解説]

前回に引き続き,為替デリバティブのお話の続きですが、この回では主に手続のことを解説します。

●銀行側の思惑~できるだけ穏便に解決したい
為替デリバティブの被害に遭う企業は、銀行にとってはお得意様であり、リスクヘッジを働きかけるくらいですから、基本的には収益の上がっている企業です。そのため、銀行の側も、顧客とのトラブルを大きくせずに、できるだけ穏便に事を解決したいと考えています。

しかし、前回解説したような仕組みで顧客の側の損失が経営基盤を脅かすほどの規模になると、顧客の側も損害の全てとは言わないまでも幾分の補てんはしてもらわないと収まりが付かないということになります。

銀行の側も、そのような顧客の意向は十分に理解できるので、何とか対応したいのですが、このような金融取引で銀行の一存で顧客に発生した損失を返済するようなことをすると、金融商品取引法39条で禁じられている「損失補てん」に当たることになります。

金融商品取引法が損失補てんを禁止しているのは、市場における公正な価格形成が阻害されることになることと、金融商品取引業者が特定の顧客に便宜を図ることになり、投資家の信頼を損なうことになるからです。

ただし、同条3項で、『金融事故(金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人の違法又は不当な行為であって当該金融商品取引業者等とその顧客との間において争いの原因となるものとして内閣府令で定めるもの)による損失の全部又は一部を補てんするために行う場合(実質は事故による損害賠償になります。)には損失補てんが許される』とされているので、為替デリバティブの損失回復も、この金融事故に該当するかということがポイントになります。

●損失補てんが許されるケース
金融事故として内閣府令で定めているのは、未確認売買、誤認勧誘、事務処理ミス、システム障害、その他法令違反といった類型ですが、為替デリバティブによる損失補てんが該当するのは、誤認勧誘かその他法令違反に該当するかということになります。

誤認勧誘は、商品の性質や取引の条件、価格の変動によるリスク等について、顧客を誤認させるような勧誘をすることをいい、商品そのものの性質に関する説明不足や誤った説明を行った場合や「必ず上がると思います」、「大丈夫です」などと言って勧誘し、取引によるリスクについて誤認させたケースなどが該当します。

顧客に損失補てんする場合には、あらかじめ内閣総理大臣(金融庁長官)に事故の事実を証する必要書類を提出し、事故の確認を受ける必要がありますが、下記のような場合には確認は不要とされています。
 ・裁判所の確定判決を得ている場合
 ・裁判上の和解が成立している場合
 ・指定紛争解決機関等のあっせんによる和解が成立している場合 など

そこで、銀行でも、顧客に損失補てんをしても良いと考えたときには、顧客に対して「指定紛争解決機関のあっせんをする」ように求め、顧客の方も、任意の損失補てんが難しいことは分かりますので、それでは全国銀行協会にあっせんをしてもらおうかということになる訳です。

●全国銀行協会のあっせん委員会への申立手続き
全国銀行協会のあっせん手続は、非公開で行われ、弁護士以外の人が代理人になることはできないとされています。そこで、依頼を受けた弁護士は事実関係を整理して、証拠とともにあっせん委員会事務局に申立書を送ります。

あっせん委員会利用は、銀行との間に紛争が発生しているということが要件とされていますので、銀行とどのようなトラブルがあるのか、銀行が顧客の要望に応じないということも述べる必要がありますが、一番肝心なのは事実関係です。

依頼者のお話をお聞きすると、事案としては、銀行が虚偽説明あるいは不十分な説明をして、顧客に安全な取引と誤認させたことが最も大きな問題のように感じるのですが、銀行の側は、形式的には説明を受けたという顧客が判をついた書類を持っていますから、説明義務違反だけを理由に争うのは実はかなり難しいのです。

訴訟ではないので、双方の言い分が食い違っている点については判断の基礎としにくいという事情があるからです。(あっせん委員会が心証を開示して、銀行側に翻意を求めることがあるのかもしれませんが、ほとんど期待できません。)

それでは、どこで決着をつけるのかというと、顧客の側に、問題になっている為替オプション取引についての適合性があったかどうかというのが最も重要なポイントになります。適合性があるというのは、顧客が当該金融取引を行う必要性があったのかどうかということです。

つまり、為替デリバティブはリスクヘッジのための商品ですから、海外貿易などで為替変動リスクを負っている企業であればデリバティブ取引を行う必要性は認められるので「適合性あり」ということになりますが、為替変動に影響されない企業の場合には「適合性なし」となるので、顧客側の言い分が通りやすくなります。

適合性がある場合でも、その会社の取引規模と比較して過大なオプションを買わされている場合には「オーバーヘッジ」といって、これも顧客保護の対象になる可能性があります。

銀行が、どうして為替リスクがない顧客に為替デリバティブ商品を買わせられたのかというと、直接海外貿易を行っていなくても、外国産の原材料などを利用して仕事をしていれば為替変動のリスクはあるのではないかというこじつけの論理で契約させていたということが分かります。

●完全な賠償請求は可能なのか?
このように銀行の側にかなり問題はあるのですが、形式的には書類は揃っているし、顧客の方も事業者ですから、何も分からない高齢者が被害に遭った場合などと同視はできません。そんなこともあって、あっせん委員会を利用して解決できた場合でも、最大損失額の半分程度と思っておいた方が良いでしょう。

それ以上に完全な賠償を求めたいのであれば、証拠に基づいて、説明義務違反の点も判断してもらえる訴訟を利用するしかないのだと思います。

あっせん手続で解決する場合でも更に踏み込んで訴訟でより多くの賠償を得ようとする場合も、事案を整理して適切に提示するのはかなり専門性を要するので、このような被害に遭われたときには、事件の依頼をするしないに関わらず、まずは経験のある弁護士に相談するのが一番です。

これで為替デリバティブのお話は終了です。
次回どんな内容を解説するかは、目下考え中です。ご希望があればお寄せください。

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「弁護士業界」勝手に解説-「為替デリバティブ損失とその解決」(2) [「弁護士業界」勝手に解説]

今回は為替デリバティブのお話の続きです。

為替デリバティブの中でも、分かりやすい為替オプションの解説を続けますが、顧客にオプションを買ってもらうためには、その負担を軽減するプランを提示することを考えて複雑な契約を提案することになるというところで終わっていましたので今回はその続きです。
前回のお話しはこちらです

顧客が銀行からオプションを買うためには「プレミアム」と呼ばれるオプション料が発生するのですが、それを消すために銀行が考えたのが、銀行が顧客から逆にオプションを購入する対価を支払うという方法です。お互いにオプションを買う訳ですからそのオプション料は相殺されて実質オプション料無料という契約をすることになります。

●為替オプションの仕組み
為替のオプションには「買い」のオプションと「売り」のオプションがあります、顧客が銀行から購入するのは外貨の「買い」のオプション(顧客が銀行から特定の価格で外貨を買える権利)ですが、銀行が顧客から買うのは外貨の「売り」のオプション(銀行が顧客に特定の価格で外貨を売れる権利)です。

例えば、顧客が銀行から3カ月後に100万ドルを1ドル100円のレートで購入できるというオプションを買った時に、銀行は反対に顧客から200万ドルを1ドル100円のレートで買ってもらえるというオプションを購入して、そのオプション料を双方が支払わないようにするというのです。(私が扱った案件では、オプション料の単価が違っていて、銀行は倍の金額を買ってもらえることになっていました。)

オプションを売るということは将来の価格変動に応じて一方的にリスクを負うことになる(オプションの売り手にとって有利な価格変動の時には買い手は権利を放棄してしまうので、儲けることはできません。)のですが、銀行は前回も述べたように、決済時期を見て独自に為替市場から外貨を購入することができますから為替変動に対処することが可能ですし、急激な円安(1割を超える価格変動)の場合には契約自体が無効になるという特約まで付けているので、銀行側のリスクは少ない訳です。

このような仕組みは、一見合理的なように見えますが、この取引は『契約後3年ないし5年先まで、3か月おきに外貨を売買する』という内容になっており、為替のプロでも予測できない数年先の為替レートを契約時点で固定して売買するオプションは、極めてリスクが高く、特にオプションの売り手の負うリスクは、理論上は無限に広がる恐れがある(オプションの買い手は、権利を放棄すればよい)ので、素人がオプションの売り手になるということは通常はあり得ないことです。

それが、顧客がオプションの売り手になってしまったのは、顧客に為替オプション取引というデリバティブ商品を販売しやすくするために、銀行側の思惑で、銀行と顧客双方がオプションの売り手になるという仕組みがつくられたからで、顧客のために作られたものではなかったのです。

顧客にとっては、オプション料の支払いを回避するだけの目的(この目的が明確に意識されていたのかも疑問です)のために、「ドル売り」のオプションを行使される無限定のリスクを負うことは全く想定外のことであり、銀行側からそのような無限定のリスクなどという説明がなされた形跡は見受けられません。

細かな経費を除いて単純化して説明しますが、銀行が100万ドルの「売り」オプションを持っているときに、円高が進行して、1ドルが100円から90円になったとすると、顧客は、市場では9000万円の価値しかないドルを1億円で買わなければならなくなり、その差額の1000万円が損失となります。

●最近の円高の状況と為替オプション契約
最近の超円高の状況は、この契約が締結された時期と比較すると1ドル30円近く円が上昇しており、先程の例に当てはめると、決済日ごとに3000万円ずつの損失が発生するので、本業でいくら儲けていても、その損失の負担に耐えられない企業が銀行相手に、この契約はおかしいと声を上げた訳です。

銀行がこの商品を販売した当時の思惑としては、円高が進行して為替差益で儲けるということは想定しておらず、顧客が支払う手数料を収益源にしようという程度の考えだったと思いますが、この契約が店頭における相対取引であったことから、顧客の損失は銀行の利益になりますので、「売り」のオプションを行使して顧客に割高の外貨を買ってもらうことになりました。

銀行担当者としては、思惑違いの利益ではあるものの、利益が上げられる状況で、その権利を行使しないということもできないので、お得意様であるはずの顧客に損失を与えることを承知で、オプションを行使してきたのです。

顧客としては、「そんな損失が発生するなんて話は聞いていない」、「きちんと説明されていないじゃないか」という不満は当然ある訳ですが、実際には、きちんと説明していなくても、「説明を聞きました」という内容の「承諾書」「同意書」といった書面を顧客からとっているのが一般的で、説明がなかったという主張がなかなか通らないという現実もあります。

そのようなときに、どのような判断基準で顧客が救済されるのか、次回は、実際に私が関わった、銀行協会のADRの手続面も含めて、解決に至る論理を解説いたします。

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「弁護士業界」勝手に解説-「為替デリバティブ損失とその解決」(1) [「弁護士業界」勝手に解説]

一般の個人の方には関係のない話かもしれませんが、一部の事業者にとっては死活問題になりかねない問題として『為替デリバティブによる損失の問題』があります。

●為替デリパティブの仕組み
この仕組みは、将来の特定の日において、対象となる商品や貨幣を指定した数売り買いすることの予約をするという点において、商品先物取引やFXといわれる外国為替証拠金取引と同様のリスクをはらんでいます。

商品先物取引やFXの場合には、証拠金を積んで、その何倍もの取引をすることが一般的で、このような仕組みを「レバレッジ」(テコのこと)を利用すると言いますが、小さな力で大きなものを動かすテコのように、小さな証拠金でも大きな取引ができるようになります。その結果、うまく行けば投資額を大きく増やすことも可能ですが、損失も投資額の数倍に膨れ上がる恐れがあるのです。

ただ、これらの取引をする人は、そのリスクを承知で取引に参加しているのですから、損をしたとしても自業自得であり、その損害を誰かに賠償してもらうということにはならないというのが基本です。(取引の過程で、詐欺的な勧誘や不必要な売買をさせられたなどの違法な行為を事業者が行った場合には損害賠償請求ができる可能性もありますが…。)

●なぜ、為替デリバティブ取引で困ったことになるのか?
それでは、為替デリバティブがどうして弁護士が関与して解決する事案になるのかというと、そもそもこの取引がリスクを取って為替変動で儲けることを想定した取引ではないからです。

リスクを取る取引でもないのに、どうしてそういう想定外の損失が生じるのかという理由の一つは、本来為替変動リスクを負っている事業者に勧めるべき商品であるのに、そのような事業者の範囲を超えて取引に勧誘していたということがあります。

また、この取引の相手方も、商品先物やFXの取引業者のように、リスク承知でしかお付き合いしないような相手ではなく、自社の事業資金を融資してくれ、それ以外にも様々な面でサポートしてくれる銀行です。銀行から頼まれたらなかなか嫌とはいえず、安全な取引ですと言われればお付き合いで契約しようかという気になってしまうのです。

為替デリバティブを巡る問題は、現在のような超円高にならなければ顕在化しなかったかもしれず、その意味では銀行も為替変動に巻き込まれてあらぬ批判を浴びているということはあるかもしれません。

しかし、この取引においては、銀行は証券会社のように取引市場で売り買いされている商品を仲介しているのではなく、自らが顧客の相手方として契約しているので、顧客の損失はそのまま銀行の利益になるという関係にあるので、超円高によって銀行は想定外の多額の利益を手にしたということになっているのです。(銀行も、この取引で損失を被らないようにするため、為替市場かで外貨取引をしているので、顧客の損失がまるまる銀行の利益になる訳ではありませんが、為替相場変動のタイミングを見て外貨取引ができるので、そのリスクは顧客の負うリスクとは比較にならないほど小さなものです。)

:マスダのちょっぴり解説:
デリバティブの元々の意味は「派生したもの」ということで、債券売買、外国為替、株式売買等の金融取引や商品・債権取引の相場変動によるリスクを回避するために開発された伝統的な金融取引から派生した金融商品の総称として、「金融派生商品」と呼ばれているものです。

つまり、デリバティブそのものはリスク回避のための商品なわけで、勧誘するときも「御社のリスク回避のためにこういう商品を購入することをお勧めします。」というセールストークが用いられます。

ところが、リスク回避のための商品の背後に、実は大きなリスクが潜んでいて、しかも顧客の方が圧倒的に大きなリスクを負っているということが分かってきたので、そこに弁護士が関与して救済する必要が生じてきたわけです。

●マスダが関わった相談事例
私が関与したのは、この中でも分かりやすい為替オプションという取引だったのですが、基本的な仕組みを説明すると、将来の特定の日に特定の外貨を指定した金額で購入する権利(この権利のことを「オプション」といいます。)を銀行から購入することによって、その日に円相場が下落していても、オプションで指定した価格で外貨を購入できるので円安リスクを回避できるということを目的として取引に入るのが基本です。

もっと具体的に説明するために、このオプション取引契約をした当時のレートが1ドル100円という相場だったと仮定します。
外国から商品を仕入れて商売している事業者は1ドル100円であればビジネスとして採算が合うので、為替変動の影響できるだけ少なくしたいと考えます。(円高に振れれば、その分為替差益が出るわけですが、本業が好調な事業者であれば、為替で儲けようとは思わず、為替が下振れした時のリスクを回避することを優先して考えます。)

そこで、円安になって、決済日の為替相場が1ドル110円になったとしても、1ドル100円でドルを買える権利を持っていれば円安リスクは回避できるので、その権利を銀行から買う。これがオプションの購入です。そこにはオプション料(権利を買う対価)が発生しますが、為替リスクから比較すれば小さなものです。

ですから、逆に円高になって1ドル90円になれば、オプションを放棄(権利ですから放棄することもできます。)して、オプション料分のマイナスで済むことになります。オプション料は一種の保険料のようなものと捉えれば良いでしょう。

ここまで説明をお読みいただいても、事業者が想定外の不利益を被ることはないように思われるかもしれませんが、勧誘する側にとっては、オプション料があると事業者はなかなか契約に応じてくれないので、その負担を軽減するプランを提示することを考えて、複雑な契約を提案することになりました。

そこに大きなリスクが潜んでいた訳ですが、ここで今回の紙面が尽きました。
そのリスクについては、次回に詳しくご説明いたしますので、興味のある方は期待してお待ちください。

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「弁護士業界」勝手に解説-「離婚事件」(3)・最終回 [「弁護士業界」勝手に解説]

離婚事件の3回目は、離婚事件に限らないのですが、弁護士としても非常に助かる、仕事がやりやすい依頼者のお話です。前回までのお話はこちら

弁護士の業務は非常に雑多で、離婚や相続などの家事事件、債務整理や企業の倒産処理、交通事故、労働事件、刑事事件や少年事件などなど非常に多くの種類を扱う訳ですが、そのなかでも、いわゆる「事件もの」といわれる過去に起きた事実を解明してその事実を元にして法的解決を図るという事案は、代理人としても、その事実を的確に理解して、これを説得力のある表現で伝えるということが求められることになります。

その中でも、交通事故のように過去の一瞬の出来事が対象の事件もあれば、離婚事件のように、結婚から現在に至るとても長い期間の出来事が絡み合って現在の事態に至っている事件もあります。

前回もお伝えしましたが、離婚事件の場合、依頼者にとっては感情的にどうしても許せない出来事であっても、法的には殆ど意味のないこともあるので、それをきちんと整理して理解できなければ、事案の本筋を見逃してしまうことになります。

●相談時こんな準備をしてもらえると弁護士は対応しやすい!
そこで、私の場合は、離婚事件の相談に来ていただくときには、過去の出来事を時系列に並べて整理してきていただくことをお願いしています。そうすることで、こちらの事実把握がしやすいということもありますが、過去の出来事を時系列によって確認するという作業をすることによって、ご本人の記憶の整理にもなるからです。

難しい相談者の場合には、いろいろな事実を述べられても、それが何時のことか分からず、最近のことを話しているのかと思って聞いていると10年以上も前のことだったということも良くあるので、時間軸を確認しながらお話しをお聞きするということが非常に大事になる訳です。

そこで、時系列に並べて準備をお願いする訳ですが、良い相談者の方は、何年何月ころという特定をしたうえで事実を整理してきてくれますが、難しい方は、単に事実を順番に並べているだけで、その事実がどのような時間の経過の中で起こっているのかについて、ご自分でも分からないまま相談に来られます。

こちらが、「それは何年ころのことですか?」とお聞きすると、「長男が6年生のころだから…」と言って考え出して、時期を特定するだけでも何分か無駄にしてしまう訳です。良い相談者は、その辺のロスがないので、事実の把握がとてもスムーズに行きますし、相談内容も事案の本筋の話に集中できるので、結局はご本人のためにもなるのです。

また、離婚事件の場合には、家族関係の確認は必須な訳で、事務所に相談に来られるときには、戸籍謄本などを相談の際にお持ちいただくようにお願いしているのですが、市役所の相談などでは何も資料をもたずに来られる方もいて、資料を見れば一瞬で理解できることを聞きとるのに何分もかかるという経験もあります。

離婚事件の相談は、どうしても時間がかかりがちですから、基礎的な資料を用意して、時間を節約するというお考えをもっていただくと助かります。

●事件の依頼を受けた後~クイックレスポンス
そして、実際に事件を受任して感じるのは、レスポンスの速度です。ご連絡いただいたときのクイックレスポンスについては、自分自身も心掛けているところではありますが、弁護士からの問いかけに対して依頼者が迅速に答えてくれないと、そこから準備が進まなくなってしまうことが少なくありません。

特に裁判所や相手方に書面を提出する場合などには、提出する文案を作成したらそれを依頼者に確認していただいてから提出するようにしているのですが、その確認がないためになかなか書面が提出できないということもあります。

依頼者は自分のことを信頼してくれているはずなので、原案通り出してかまわないだろうと思うこともあるのですが、法的主張ではなく事実関係を書面にする場合などに、思い違いをして依頼者の認識と異なる事実を文書にして出してしまうと、取り返しがつかなくなってしまうので、そのような場合には慎重に依頼者に確認をお願いするのです。(打ち合わせのなかで確認したはずの事実でも、文書にして確認してみたら打ち合わせの内容が間違っていたということも、稀ではありますが経験します。)

以前は、この確認をお願いする際に、郵送で依頼者に文案を送り、それを読んでいただいて連絡をもらうというのが一般的でしたが、最近ではFAXやメールといったツールを利用してより迅速に確認してもらうことができるようになりました。

FAXの場合には、文面がむき出しで送られますから、関係者以外が目にしないように、送る前に電話をかけて待機してもらうなどの注意が必要になる場合もありますし、番号の打ち間違いなどの誤送信の心配もあるので、最近は事件関係の書類をFAXで送ることは少なくなりました。

一方で、メール添付で文書を送ると、受け取った側も、修正点を添付書面にそのまま打ち込んで返信してもらえるというメリットがあることや、委任状や陳述書など、ご本人の署名捺印をしていただく必要がある書類なども、依頼者の側でプリントアウトしたものに署名捺印して送っていただければ、こちらから用紙をお送りする時間が節約できるので、とても助かります。

弁護士の側は、最近ではメールを使用していない人はほとんどいないくらいに普及していますが、個人の方の場合はメールを使用していない方は少なくないですし、携帯メールしか使わないので添付ファイルは読めないという方も多いと思うので、そういう意味では、メールを使いこなしている依頼者はとても助かることになります。

●マスダが考えるもっとも仕事をしやすい依頼者とは?
そして、離婚事件の依頼者で最も仕事をやりやすいのは、ご自分の境遇を客観視できる方だと感じています。離婚事件の場合は、どうしても感情的な不満が背景にありますので、その感情が先に出ると、冷静な判断ができなくなり、客観的にはとるに足らないところで思考が停止してしまい、そこから先に進めないということが少なくないのです。

どのような事件でも、過去に起こってしまったことをやり直すことはできないのですから、未来志向で最も有益な解決策を模索するという姿勢が大事になります。前向きに、しかも冷静に自分の置かれた境遇を分析する姿勢を持っていただける依頼者の場合は、仕事もやりやすいですし、納得感のある解決に至る可能性が高くなるのです。

これで離婚事件のお話は終わりとします。

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次回は、一部の金融機関で非常に問題になっている為替デリバティブ取引について、札幌で金融ADRを利用して解決したことがあったので、その経験を踏まえて金融ADR手続の解説をしてみたいと思います。

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