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為替デリバティブの恐怖-その実態と対策(5) [企業経営・経済]

顧客企業が金融機関に対して為替デリバティブ取引の損失の深刻さを訴えても、金融機関側が直接に自らの非を認めることはまずありません。これは、担当者自身は契約の不合理さを感じていたとしても、もともと金融機関側が作った契約スキームですから、その内容を自ら否定することはできないからです。

そして、基本的には「契約自由の原則」もありますので、契約してしまった以上はその内容を履行してもらう必要があるというスタンスを崩すこともできないからです。

また、前回指摘した契約の無効原因についても、顧客企業側から見た見方であって、この主張が裁判所で認められるか否かは予断を許さないところがあります。金融機関側も、仮にこの契約に無効原因があるというような判決が裁判所で出されてしまうと、それまで不満を持ちながら敢えて口にしなかった多くの契約者が一斉に金融機関に損害賠償の請求をすることになるので、徹底抗戦することが予想されるからです。したがって、この契約に関する訴訟が提起された場合には、途中で和解が成立することがなければ最高裁まで行かざるを得ないような事件になってしまいます。

しかし、そのような長期化は、この取引によって資金繰りが悪化している顧客企業も望みませんし、金融機関側にとっても、もともとこの契約を勧めた相手は優良取引先が多いので、深刻な争いになってその取引先を失うことは避けたいという思惑もあります。

そのような双方の思惑もあって、為替デリバティブによる損失については、損失の全部ではないにしても、一部を金融機関側が負担するという形で解決する例が少なくありません。(契約当事者それぞれの事情がありますので、必ず負担してもらえるという訳ではありません。)

ただ、金融機関側も、当事者間の任意の交渉で損失を負担するのは、「損失補てん」として禁じられていますので、裁判所あるいはこれに準じた第三者機関の関与のもとで、合理的な解決案の提示を受けて解決するのでなければならないということになっています。

その手続きを担っているのが、全国銀行協会の「あっせん委員会」やFINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)です。(FINMACで斡旋を受けられる金融機関は限られています。)

これらの機関を利用して話し合いで解決するというのが、現時点では最も有効な解決策と思われますが、相手の金融機関がメインバンクというような場合には、今後の資金繰り等に関する別の考慮も必要になる可能性もあります。

それらのことも含めて最も良い解決策を検討するためには、一人で考えても考えがまとまらないでしょうから、守秘義務を負っている経験のある弁護士に相談するのが、解決に向けた最初のステップになると思います。

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