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為替デリバティブの恐怖-その実態と対策(4) [企業経営・経済]

為替オプション取引によって顧客企業に発生した損害は、裏を返せば金融機関の利益ということができます。為替オプションは金融機関と顧客との相対取引ですから、一方当事者が損をすれば相手方が得をするという関係にあるからです。

もちろん、金融機関側はこの仕組みを作って運用するために様々なコストをかけていますし、ときには顧客企業との特定の取引のために実際に外貨を売買することもありますので、顧客企業の損失が丸々金融機関の利益になるというのは言い過ぎですが、それに近いものが金融機関にもたらされていることは間違いありません。
そうすると、顧客企業が被った損害は金融機関から返してもらうしかありません。

かといって、金融機関に対して直接損害を返して欲しいといっても、契約関係書類には顧客企業にリスクがあることは記載されていますし、そもそも金融機関が顧客の損害について返金することは「損失補てん」として禁じられているという回答がなされることになります。

自由主義の国では「契約自由の原則」があって、どのような契約でも契約当事者が納得して契約したものであれば、その契約は有効であり、契約に定められている効果を覆すことは原則としてできないことになっています。しかし、この「契約自由の原則」を無限定に認めてしまうと、契約当事者間に情報の格差がある場合などには、一方当事者が十分な判断資料を持たないままに不利益な契約を結ばされてしまうこともありますし、あるいは契約外の部分で大きな力関係の差がある場合などには、不利だと分かっていても不公正な契約書に判をつかなければならないこともあります。

そのため、「契約自由の原則」も無限定に認めることはできず、公序良俗に反する契約は無効とされ(民法90条)、あるいは経済的弱者保護の観点から事業者と消費者との契約についてルールを定め、そのルールを守らない契約はその効力を否定されるという規定(強行法規)もあります(消費者契約法や利息制限法など)。公序良俗に反する契約の例としては、正義の観念に反する行為(賭博行為etc…)や個人の自由を極度に制限する行為(愛人契約etc…)、暴利行為(不当に高額な報酬契約etc…)などが挙げられます。(私は、今問題になっているスキームによる為替オプション取引は、極めて賭博性の高いものではないかと考えています。)

そのほかに、契約の一方当事者に契約の重要な要素に関する錯誤がある場合も契約は無効ですし(民法95条)、詐欺や強迫によって締結させられた契約は取り消すことができます(民法96条)。

問題の為替オプション取引もこれらの条項をうまく適用することで無効あるいは契約の取消しの効果を得られる可能性はあると考えられます。

次回は、これらの法的効果を主張したときの金融機関の対応についてまとめてみます。

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