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着手金の過大請求で業務停止1か月? [「弁護士業界」勝手に解説]

行列のできる法律相談所などのテレビ番組の出演者として著名な大渕愛子弁護士が、依頼者から過大な着手金を受領していたとして業務停止1か月の懲戒処分を受けたと報道されています。
http://news.livedoor.com/article/detail/11839272/

事案としては、経済的に恵まれない人たちのために設けられた日本司法支援センター(法テラス)の代理援助制度を利用して受任した事件の依頼者から、法テラスで決められた報酬のほかに引き受けた際に約束した着手金の不足分や5カ月分の顧問料として17万8500円を受領していたということです。

法テラスは、弁護士に事件を依頼したくても資金的に困難な人に対して、経済的な理由から法的救済を受けられないということをなくするために、弁護士費用を立替払いしてくれる(生活保護の受給者に対しては最終的に立替えてもらった費用の償還を免除する制度もあります。)だけでなく、金額面でも通常の依頼事件と比較すると低廉な金額で弁護士を利用できるようになっており、法テラスに登録している弁護士は、代理援助制度を利用する場合にはそのほかに依頼者から費用を受け取ってはならないとされているので、大渕弁護士の行為は明らかにアウトです。

この件に関しては、大渕弁護士自身も、今では非を認めているようですが、その理由として法テラスの制度に対する理解に欠けていたと弁解しています。

しかし、通常、制度に対する誤解に基づいて本来受領してはいけない報酬その他の金品を受領したとしても、指摘を受けた際にすぐに非を認めて返済していれば、過失に基づくものですから懲戒の程度としても戒告が相当ということになったはずです。

それが、業務停止1か月という重い処分(この業務停止期間中は、事務所の看板も下ろさなければなりませんし、ホームページも一時閉鎖するなど、単に弁護士の仕事をしてはいけないというだけでは済まない重たいペナルティが課せられます。)を受けることになったのは何故なのか、疑問が残ります。

本件では、当初は、依頼者の求めに対して大渕弁護士は返金を拒否していて、弁護士会の説得によってようやく返金に応じたということですが、懲戒の重さを考えると、この件1件だけが問題だったのではなく、他にも類似の弁護士費用の取りすぎと見られる事案があった可能性もあります。(他の事案があったとしても、懲戒事件の対象となっていないので、そのようなことがあれば、懲戒の程度を判断するための情状として考慮されることがあります。)

養育費請求事件を受任した本人から顧問料名目でお金を受け取るというのもあまり聞かない話で、当該事件の費用として受け取るのはまずいので、顧問料という形を取ったのではないかと勘繰られても仕方ないところもあります。仮にそうだとすれば、過失ではなく、確信犯として規則の裏をかこうとしていたということで、業務停止という重い懲戒処分になったのも頷けます。

弁護士費用に関して、現在は弁護士会が定めた報酬基準は撤廃されており(私が弁護士になったころには報酬基準があったのですが、独占禁止法の関係でそのような基準を維持することができなくなったと聞いています。)、弁護士と依頼者との契約によって決められた着手金・報酬金の額は基本的に有効とされますが、それも程度問題なので、あまりに不当な金額を請求した場合には返金を求めることができるだけでなく、そのような費用請求をした弁護士が懲戒になることもあります。

依頼の程度と比較して「高すぎる」と感じたときは、その弁護士から弁護士費用の根拠について説明を受ける、あるいは第三者の弁護士に相談するなど、その金額の相当性も吟味してみた方が良いかもしれません。

ただし、弁護士も事務所を維持して生活していかなければならないので、あまり安くするわけにもいかないということもご理解いただきたいところではありますが…。


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