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「弁護士業界」勝手に解説-「離婚事件」(3)・最終回 [「弁護士業界」勝手に解説]

離婚事件の3回目は、離婚事件に限らないのですが、弁護士としても非常に助かる、仕事がやりやすい依頼者のお話です。前回までのお話はこちら

弁護士の業務は非常に雑多で、離婚や相続などの家事事件、債務整理や企業の倒産処理、交通事故、労働事件、刑事事件や少年事件などなど非常に多くの種類を扱う訳ですが、そのなかでも、いわゆる「事件もの」といわれる過去に起きた事実を解明してその事実を元にして法的解決を図るという事案は、代理人としても、その事実を的確に理解して、これを説得力のある表現で伝えるということが求められることになります。

その中でも、交通事故のように過去の一瞬の出来事が対象の事件もあれば、離婚事件のように、結婚から現在に至るとても長い期間の出来事が絡み合って現在の事態に至っている事件もあります。

前回もお伝えしましたが、離婚事件の場合、依頼者にとっては感情的にどうしても許せない出来事であっても、法的には殆ど意味のないこともあるので、それをきちんと整理して理解できなければ、事案の本筋を見逃してしまうことになります。

●相談時こんな準備をしてもらえると弁護士は対応しやすい!
そこで、私の場合は、離婚事件の相談に来ていただくときには、過去の出来事を時系列に並べて整理してきていただくことをお願いしています。そうすることで、こちらの事実把握がしやすいということもありますが、過去の出来事を時系列によって確認するという作業をすることによって、ご本人の記憶の整理にもなるからです。

難しい相談者の場合には、いろいろな事実を述べられても、それが何時のことか分からず、最近のことを話しているのかと思って聞いていると10年以上も前のことだったということも良くあるので、時間軸を確認しながらお話しをお聞きするということが非常に大事になる訳です。

そこで、時系列に並べて準備をお願いする訳ですが、良い相談者の方は、何年何月ころという特定をしたうえで事実を整理してきてくれますが、難しい方は、単に事実を順番に並べているだけで、その事実がどのような時間の経過の中で起こっているのかについて、ご自分でも分からないまま相談に来られます。

こちらが、「それは何年ころのことですか?」とお聞きすると、「長男が6年生のころだから…」と言って考え出して、時期を特定するだけでも何分か無駄にしてしまう訳です。良い相談者は、その辺のロスがないので、事実の把握がとてもスムーズに行きますし、相談内容も事案の本筋の話に集中できるので、結局はご本人のためにもなるのです。

また、離婚事件の場合には、家族関係の確認は必須な訳で、事務所に相談に来られるときには、戸籍謄本などを相談の際にお持ちいただくようにお願いしているのですが、市役所の相談などでは何も資料をもたずに来られる方もいて、資料を見れば一瞬で理解できることを聞きとるのに何分もかかるという経験もあります。

離婚事件の相談は、どうしても時間がかかりがちですから、基礎的な資料を用意して、時間を節約するというお考えをもっていただくと助かります。

●事件の依頼を受けた後~クイックレスポンス
そして、実際に事件を受任して感じるのは、レスポンスの速度です。ご連絡いただいたときのクイックレスポンスについては、自分自身も心掛けているところではありますが、弁護士からの問いかけに対して依頼者が迅速に答えてくれないと、そこから準備が進まなくなってしまうことが少なくありません。

特に裁判所や相手方に書面を提出する場合などには、提出する文案を作成したらそれを依頼者に確認していただいてから提出するようにしているのですが、その確認がないためになかなか書面が提出できないということもあります。

依頼者は自分のことを信頼してくれているはずなので、原案通り出してかまわないだろうと思うこともあるのですが、法的主張ではなく事実関係を書面にする場合などに、思い違いをして依頼者の認識と異なる事実を文書にして出してしまうと、取り返しがつかなくなってしまうので、そのような場合には慎重に依頼者に確認をお願いするのです。(打ち合わせのなかで確認したはずの事実でも、文書にして確認してみたら打ち合わせの内容が間違っていたということも、稀ではありますが経験します。)

以前は、この確認をお願いする際に、郵送で依頼者に文案を送り、それを読んでいただいて連絡をもらうというのが一般的でしたが、最近ではFAXやメールといったツールを利用してより迅速に確認してもらうことができるようになりました。

FAXの場合には、文面がむき出しで送られますから、関係者以外が目にしないように、送る前に電話をかけて待機してもらうなどの注意が必要になる場合もありますし、番号の打ち間違いなどの誤送信の心配もあるので、最近は事件関係の書類をFAXで送ることは少なくなりました。

一方で、メール添付で文書を送ると、受け取った側も、修正点を添付書面にそのまま打ち込んで返信してもらえるというメリットがあることや、委任状や陳述書など、ご本人の署名捺印をしていただく必要がある書類なども、依頼者の側でプリントアウトしたものに署名捺印して送っていただければ、こちらから用紙をお送りする時間が節約できるので、とても助かります。

弁護士の側は、最近ではメールを使用していない人はほとんどいないくらいに普及していますが、個人の方の場合はメールを使用していない方は少なくないですし、携帯メールしか使わないので添付ファイルは読めないという方も多いと思うので、そういう意味では、メールを使いこなしている依頼者はとても助かることになります。

●マスダが考えるもっとも仕事をしやすい依頼者とは?
そして、離婚事件の依頼者で最も仕事をやりやすいのは、ご自分の境遇を客観視できる方だと感じています。離婚事件の場合は、どうしても感情的な不満が背景にありますので、その感情が先に出ると、冷静な判断ができなくなり、客観的にはとるに足らないところで思考が停止してしまい、そこから先に進めないということが少なくないのです。

どのような事件でも、過去に起こってしまったことをやり直すことはできないのですから、未来志向で最も有益な解決策を模索するという姿勢が大事になります。前向きに、しかも冷静に自分の置かれた境遇を分析する姿勢を持っていただける依頼者の場合は、仕事もやりやすいですし、納得感のある解決に至る可能性が高くなるのです。

これで離婚事件のお話は終わりとします。

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次回は、一部の金融機関で非常に問題になっている為替デリバティブ取引について、札幌で金融ADRを利用して解決したことがあったので、その経験を踏まえて金融ADR手続の解説をしてみたいと思います。

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