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「弁護士業界」勝手に解説-「離婚事件」(2) [「弁護士業界」勝手に解説]

離婚事件の2回目は、離婚事件で遭遇する依頼者のお話です。

どのような事件でも、弁護士は依頼者から提供された情報をもとに相手方と対峙することになりますし、依頼者と協力しなければ良い結果に結びつかないものです。そんな原則がある訳ですが、離婚事件の場合には、夫婦の間の出来事が他人の見ていないところで起こることが多く、多くの場合、そのときの事実を証拠によって証明することはとても難しいので、提供された情報がどこまで使えるのかの判断は難しいところです。

また、離婚事件では、離婚原因となる事情は本人から説明してもらわなければなりませんが、結婚してから離婚まで数年から数十年の間のことが順不同で語られることが少なくありませんので、その事実関係をきちんと整理して理解するのに一苦労することになります。

裁判で離婚を認める理由は、民法770条1項に定められていますが、その中に「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(同5号)という離婚原因があるため、典型的な離婚原因がないときには、結婚から今までの相手方の振る舞いをいろいろ寄せ集めて、合わせ技で婚姻を継続し難い重大な事由があるといった主張をすることもあり、主張する側も反論する側も、過去の事実について記憶違いが起こることもある訳です。

また、弁護士としては、ポイントを絞って本当に離婚原因として考慮される事情のみを主張したいところなのですが、当事者にとっては、法的には些末なことでも、感情的にどうしても許せないことがあったりするので、これを敢えて主張から落とすと依頼者との信頼関係にひびが入りかねなくなりますし、本筋以外のことをごちゃごちゃ主張するのは却って言い分が分かりにくくなったりするので、そこら辺をきちんと理性的に切り分けてくれる人がやりやすい依頼者となる訳です。

また、離婚事件は、調停前置主義といって、裁判を起こす前には調停を行う必要があるという原則があるので、話し合いの手続を行うことになりますが、代理人はこの辺で調停を成立させた方が依頼者のためになると思って説得しても、感情的になってしまってどうしても説得に応じてくれない依頼者もいます。

そんなときには、離婚事件も結論に応じて弁護士報酬が増減するというのが一般的な決め方ではありますが、意外に思われるかもしれませけれども、離婚事件に関しては、受任した後は早く解決して欲しいと思ってしまう事件が少なからずあります。

◎親権の争い
特に、事前の打ち合わせの段階から、「子供の年齢や現在の養育環境を考えると親権を争っても無駄ですよ。」と説明して理解しているはずなのに、無抵抗で妻の方に親権を渡すのは面白くないからという理由で親権を争う父親の事件などは、妻が親権者としてふさわしくないという事情を主張しなければならないので、いかに相手の生活態度が不健全で子供の養育環境としてふさわしくないかというような、人格攻撃に近い主張をせざるを得なくなるので、代理人としても非常に嫌な気持ちになることがあります。

親権の争いは、話し合いをしたとしても平行線になることは明らかなわけですから、早く親権の問題にけりをつけて子供との面会交流の条件を詰めて行った方がずっと良いと思うのですが、そこの割り切りができない人が少なくないのです。

◎財産分与の争い~婚姻中の支出
また、離婚に伴う財産分与については、結婚してから夫名義で築いた財産がある場合には応分のものを渡さなければならないのは当然のことなのですが、それを認めることにどうしても納得がいかないのか、過去の相手方名義の出費の話を持ち出して、それを控除して欲しいという人もいます。

しかし、婚姻中にお互いが了解して支出したものであれば、たとえ夫婦の一方のための支出であっても、離婚時にあれこれ言わないのが基本ですから、細かなことは言わない方が良いのにと思って、そのように話をしても、相手に対する感情的な不満から、できるだけ少なくしか渡したくないという男性が多いのも残念なことです。

◎離婚後の生活設計は大丈夫?
一方の女性の側で感じるのは、「離婚したい!」という思いが先に立って、離婚後の生活設計が非常に甘く、本当にやって行けるのだろうかと思う事案が少なくないということです。離婚してしまえば代理人の仕事は終わる訳ですが、余計なお世話と言われても、やはりみすみす苦労をすると分かり切っているのに安易に離婚するのは如何なものかと思うのです。

特に、結婚期間が長くなって、その間ずっと専業主婦だった女性が、離婚の際にそれなりの給付をもらったとしても、自活して行くのは大変なことですから、もっとしたたかに生きることを考えても良いのではないかと思うことも少なくありません。

離婚事件はとかく感情に左右されることが多いのですが、それよりも冷静に勘定のことも考えて判断するということも必要なのではないかと思うのです。
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今回は、困った依頼者のことももっと書こうと思っていたのですが、本当に困った人の問題はどうしても個性的になってしまうので、これ以上は書けませんでした。
次回は、離婚事件を依頼する際に、ここまでやっていただけると弁護士としては非常に仕事がしやすいという、良い例のお話をしたいと思います。

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