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「弁護士業界」勝手に解説-「離婚事件」(1) [「弁護士業界」勝手に解説]

今回から離婚事件について解説していきたいと思います。

弁護士も外国との契約関係を主に扱う渉外事務所や大手企業の法務問題を中心に扱う事務所に所属している弁護士であれば、その主要業務を行うだけで手いっぱいで、彼らは法廷に出向くこともほとんどないというような仕事をしていますが、いわゆる一般民事を扱うほとんどの弁護士は、年に数件は離婚事件を受任するといっても良いでしょう、

離婚事件は、家庭裁判所の管轄の事件ですから、以前取り上げた認定司法書士も代理人になることはできませんので、離婚事件の代理人は弁護士が独占的に取り扱っている分野です。

また、この分野は、相談の件数も多く、私たちが市役所などの公的相談所に行って相談を受けるときも、債務整理、労働問題と並んで相談件数の多い事件類型であるといえます。

●日本の離婚制度~協議・調停
日本の場合には、協議離婚という制度もあるので、離婚は必ずしも裁判所に行かなければできないというものではありません。欧米のキリスト教国では、結婚が神への誓いであるということもあって、離婚するのも必ず裁判所を通さなければならず、円満離婚であっても双方に弁護士の代理人を付ける必要があるのとは大きな違いがあります。

先日見たテレビ番組の中で、このように離婚しにくいという背景もあって、フランスなどでは結婚という形を取らずに事実婚がかなりの割合を占めており、事実婚の家庭にも法律婚と同様の子育て支援をしているということが紹介されていましたが、日本では、当事者の合意があれば離婚できるので、制度としては大きな違いがあります。

したがって、私は、離婚の相談を受ける場合にも、弁護士が介入しなくても当事者どうしで解決できそうな状況であれば、解決の方向性を示して後は双方で良く話し合いをして、どうしてもうまくいかないときには離婚調停を起こせば良いというアドバイスをすることが良くあります。

●マスダはなぜすぐに受任しないのか?~離婚事件の弁護士費用
このときに、どうして「代理人として相手方と交渉してあげます」と言わないのかというと、やはり弁護士費用の問題があるからです。離婚事件を受任した場合の弁護士費用のおよその目安は、事件の難易度や離婚に伴う金銭的な請求の額によって異なりますが、着手金が20~50万円、うまく離婚できたときの報酬金は、相手方から慰謝料や財産分与といった金銭的な支払を受けられたときにはその1割程度、金銭的な支払がなかったとしても着手金と同程度の金額を要するとされています。

資力が乏しい人に対して弁護士費用を立替払い法テラスの法律扶助を利用したとしても、標準的な弁護士費用は着手金で25万円程度、報酬金は金銭的請求を伴わないときには8万円程度、金銭給付が伴う時には得られた金額の1割程度とされています。

弁護士側の経済的メリットだけを考えれば、離婚事件をどんどん受任できるように誘導するのが良いのかもしれませんが、特に、離婚をしてその後単身で生活することになる女性の相談であれば、かなりの割合で、経済的にそれまでより苦しくなることになりますので、離婚の際に不必要な費用をかけることを勧めることには躊躇を覚えます。

日本の場合には、協議離婚ができなくても、家庭裁判所の調停制度を利用すれば、当事者間の話し合いの仲立ちをする調停委員が中に入ってくれるので、弁護士が関与しなくてもそれなりの解決は期待できます。

弁護士が関与するとすれば、調停に同席して当事者の主張を補充するのと、審理に必要な証拠の提出を行い、調停委員会が示す調停案が合理的かどうかを判断するなどの役割になりますので、そのような関与が必要な事件かどうかと費用の兼ね合いで、弁護士に依頼すべきかどうかを判断することになります。

なお、法テラスが立替えてくれる弁護士費用ですが、その償還は事件が解決するまで猶予してもらうこともできますし、結論によって経済的にほとんど得るところがなく、その後の生活も生活保護を受けなければならないような困窮が予想されるときには、償還免除という制度もありますので、本当に弁護士の援助が必要と思う事案であれば、償還の点はあまり心配しないで、まずは弁護士に相談してみるのが良いでしょう。

●調停期日は時間がかかる~なぜ?
弁護士にとって、離婚事件の難点は、調停期日に同席するときの待ち時間です。調停は、当事者が同時に調停委員と話をすることはほとんどなく、双方の当事者が交互に調停委員と話をすることになるので、相手方が話している間は控室でじっと待っていなければなりません。

依頼者がいない場合には、別の事件の記録を読んだりすることもできますが、目の前に依頼者がいるのにそんなことをすることもできず、簡単な打ち合わせをする以外は、雑談をしたりして時間をつぶしますが、離婚事件の場合には、待ち時間が1時間以上になることもあり、その待ち時間を他の仕事に充てるなど効率的に時間を活用するというわけにもいかないので、その時間が手持無沙汰に感じることもあります。

実は、私は昨年4月から家庭裁判所の調停委員もやっているので、一方当事者に待ってもらっているときの心苦しさも経験しているのですが、家事事件というデリケートな案件を扱っているので、できるだけ親切に当事者の話を聞かなければならないということで、ある程度の時間お待ちいただくのも仕方ないところではあります。

立場が変わると、同じ待ち時間についても見方が変わるということなのですが、それでも、離婚の場合には、調停という手続きはかなり有効に利用されているので、弁護士に依頼できない場合にも、調停という手続きがあるということは知っておくと良いでしょう。

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今回の解説はこのくらいで終了です。次回は離婚事件の2回目として、離婚事件で遭遇する困った依頼者について、守秘義務を侵さない範囲で解説してみたいと思います。

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