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「弁護士業界」勝手に解説-「業際問題」(4) [「弁護士業界」勝手に解説]

「業際問題」の第4回は、弁護士以外の人に頼むことについて、依頼者に何かメリットがあるのかということについて考えてみます。

●弁護士に依頼しにくい?~費用面
一般の方が、弁護士に事件を依頼することを躊躇する理由の一番に挙げられるのは、「弁護士に頼むといくらとられるか分からない」ということだと思います。以前は「値札のない寿司屋」に例えられたこともありますが、最近では寿司屋でも「時価」と表示することは無くなってきており、弁護士も価格は一般的に表示しています。(依頼前に費用の見積もりを求められたら、見積書を発行しなければならないという弁護士会の規程もあります)

費用の点も弁護士に直接聞けばよいのですが、欧米の著名裁判で弁護士費用として億単位のお金がかかったなどという話を聞いていると、弁護士に相談するだけでも「いくらとられるか分からない」と思ってしまって、相談することも躊躇することになってしまいます。しかし、以前解説したように、弁護士費用は基本的に紛争の価格に比例して決まりますので、そんな著名事件の弁護士費用を請求される事件に遭遇する人はまずいないでしょう。

著名な弁護士に専門分野の相談をするときなどには、稀に高額の相談料を請求されることはあるかもしれませんが、普通の弁護士であれば、1時間1~2万円(あるいはもっと低い金額)の相談料で十分な相談を受けられるはずです。

***マスダのちょっぴり解説***
経済的に恵まれていない人については、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助事業の一環として、法律相談料の補助を受けられます。一定の資力要件を満たせば、同じ事件について3回まで無料で相談を受けることができるのです。(弁護士の側は、相談したということを法テラスに報告して、1回5,000円の相談料を受け取ることになります)

●弁護士に依頼しにくい?~事件の大小
こんな費用面での誤解は、徐々に解消されつつありますが、自分の抱えている問題について「こんなことを弁護士に相談して良いのだろうか」と考えて弁護士に相談することを躊躇する人も少なくありません。

例えば、200万円の貸金を返してもらえないという場合、こんな少額の事件を弁護士は取り上げてくれないのではないかと思い込んで、弁護士に相談することを躊躇してしまう人がいるわけです。

そういう人たちは、もっと気軽に相談できる行政書士や司法書士事務所に電話をすることになる訳ですが、普通に個人相手の事件を取り扱っている弁護士で200万円の貸金事件を、事件単価が安すぎるという理由で断る弁護士はおそらくいないと思います。

相談を受けてみて、実際に依頼を受けるまでに至らない事件はありますが、それは請求を認めさせるだけの証拠が乏しいとか、債権の存在は間違いないが相手が無資力で回収がかなり難しい、相手の所在をつかむ手掛かりがつかめないなどの理由からお断りするということで、それも無理に費用をかけて請求手続をするよりも、請求を断念するほうが相談者のためになるということを総合的に判断してアドバイスを考えた結果なわけです。

弁護士以外の士業者が、「こんな事件は、弁護士さんは受けてくれませんよ」などということがありますが、弁護士が受任しないのは、費用をかけて弁護士に依頼しても、結果として依頼者のためにならない可能性が高いからと思った方が良いでしょう。

以前ご紹介したように、刑事の国選事件は、7万円前後の費用で1件の事件を受任することになりますが、今では、若手の弁護士はそんな事件でも嫌がらずに積極的に取り組んでいます。被害者に会って、被告人に代わって謝罪して被害弁償までやらなければならない刑事事件と比べれば民事の手続の方がストレスも少ないので、民事事件を敬遠する弁護士はほとんどいないと思ってよいでしょう。

●弁護士以外の士業者に依頼するメリットはあるのか?
また、弁護士に依頼せずに他の士業に法的紛争の解決を依頼することは、以前解説したように弁護士法違反で犯罪行為に該当する可能性もあるのですが、それだけでなく、他の士業者に依頼するメリットがあるかという点で考えてみていただきたいと思います。

以前であれば、弁護士の数が少なかったので、目の前の受任済みの業務を処理することに追われていて、敢えて単価の低い事件を受任して自分の首を絞めたくないと思って、小さな事件を断っていた弁護士もいたのだと思います。しかし、今は多くの弁護士、特に登録して間もない若手の弁護士であれば、事件の受任件数自体がかなり減少しているために、この手の小さな事件でも喜んで受任するでしょう。

小さな事件を受任して依頼者から信頼され、次の依頼者を紹介してもらうというのは、いつの時代でも弁護士が顧客を広げる手段の王道です。そんなこともあるので、小さな事件の依頼者の背後には、何人もの依頼者候補者がいると考えて頑張る訳です。

そんな弁護士側の事情を考えると、「こんな事件は、弁護士さんは受けてくれません」という話が実情に合わないということはお分かりいただけるはずです。

●費用面についての比較:債務整理
また、一般的に「弁護士は高い」と思われている点についても、試しに債務整理事件で報酬金額を表示している複数の司法書士事務所の費用額を検索してみましたが、弁護士に依頼したときとそん色ない金額になっていました。

特に、自己破産や個人再生といった事件は、管轄が地方裁判所なので司法書士は代理人になれず、依頼したとしても書類の作成だけの依頼にならざるを得ないので、裁判所とのやり取りは依頼者本人が行う必要があるというのが原則です。当然、その分は金額が異なってしかるべきと思うのですが、この種の事件の費用も弁護士に依頼した場合と異なるところはありませんでした。(弁護士は代理人になるので裁判所との連絡も全て弁護士が受けて処理します)

逆に言うと、同じ金額であれば、破産や個人再生の依頼(あくまでも書類作成の依頼しかできません)をしたときには、司法書士の方が割高になってしまうということなのです。

弁護士は、法的トラブルであれば、資格の上ではほぼオールマイティーに対応できます(もちろん個々の弁護士の能力の問題はありますが。)ので、各種の法的紛争解決メニューの中から依頼者に最も適合した解決策を選択することができますが、その他の士業は、限定された資格しか有していないので、その範囲でしか対応できません。時には、最初に他の士業者に依頼したけれども、問題が訴訟に発展したので弁護士に依頼せざるを得ず、余計な時間と費用が掛かってしまったということも起こり得ることです。

そんなことを考えると、初めからどちらに相談するのが依頼者にとってより良い解決が望めるかは歴然としていると思うのですが、その価値を十分に伝えきれず、もどかしい思いをしている弁護士は少なくないのです。

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次回も業際問題として、他の士業の人たちが注目している相続事件について考えてみます。家庭裁判所の代理人になれるのは弁護士だけですから、本来他の士業者がこのような事件の相談を受けることも問題があるはずなのですが、その辺りのことを整理してみたいと思います。

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