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「弁護士業界」勝手に解説-「業際問題」(1) [「弁護士業界」勝手に解説]

日本の国が韓国や中国から竹島や尖閣諸島の領有権を主張され、わが国の立場からすると領土を侵犯されている状況ですが、弁護士の業界も従来自分たちの業務分野と考えていたところに、周辺の士業の人たちが参入してきて、弁護士数の大量増員の問題だけでも仕事の量が減ったと思っているところに、更に他士業によって業務分野を荒らされていると感じているのが今回から解説する業際問題です。

●弁護士法72条とは?
この業際問題は、弁護士法72条という法律に深く関わっているので、その条文をまずご紹介しましょう。

弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

要するに、弁護士法その他の法律に例外が規定されていないときは、法律事件に関して「業として」「鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすること」を禁止しますという規定です。

そして、この規定に違反すると「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。」(同法77条)ということになっているので、弁護士法72条違反は立派な犯罪になる訳です。ニセ医者が無資格診療をしたとして逮捕されたというニュースは良く見聞きしますが、弁護士法違反も無資格で法律事務を扱うという意味では何ら替わるところはありません。

また、条文の中に「業として」という表現がありますが、これは「反復継続の意思をもって行う」という意味で、「対象が特定であるか不特定であるかを問わず、また目的が営利・非営利であるかも問わない」ので、特定の人に対して無償で法的サービスを提供したとしても、「業として」行ったことになります。そして、「反復継続の意思」があれば、1回だけの行為でも「業として」行ったことになります。「業として」は「職業として」とイコールでないということは覚えておいた方が良いでしょう。

弁護士会では、弁護士法72条違反の行為(これを「非弁行為」といいます。)を認知したときには、非弁護士取締委員会(弁護士会によって名称は違いますが、札幌弁護士会はこの名称です。)が調査をして、程度によって警告を行って改善を促したり刑事事件として告発したりという対応をしているのです。

実は、私は、今年の3月一杯までは、札幌弁護士会の非弁護士取締委員会の委員長の職責にあるので、個人的な意見を述べたとしても、どうしても委員長の発言ということになってしまいます。そこで、業際問題に関する個人的な見解は、委員長退任後の次回以降に譲るとして、ここからは現在の問題状況を少し整理しておきたいと思います。

業際問題を複雑にしているのは、弁護士法72条のただし書き「ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」という規定の存在です。弁護士以外の人が法律事務を扱っても、他の法律で認められていれば違法とはなりませんという規定です。

●司法書士の法律上の職務範囲
そこで、法律事務を扱う他の士業の法律上の職務分野を見てみますと、司法書士法3条には以下のような規定があります。
司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
1~3号省略
4 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続(不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)第六章第二節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。第八号において同じ。)において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。
5 前各号の事務について相談に応ずること。
6 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。(この手続については条文が長いのでかいつまんで説明すると、いわゆる認定司法書士になれば「訴訟の目的の価額が140万円以下」の民事事件に関する簡易裁判所の手続の代理人になることができるという規定です。)

●行政書士の法律上の職務範囲
一方、行政書士の職務範囲について行政書士法は以下のように規定しています。
第1条の2
1項 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
2項 行政書士は、前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。
第1条の3 行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
1号 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。
2号 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
3号 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

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このように司法書士や行政書士については、他人の法律問題に関し、依頼を受けて、業として取り扱える範囲が法律上限定されているはずなのですが、現在はその限定を非常に緩く解釈して業務を行っているこれらの資格者が多数いるという状況にあります。

他にも税理士、特定社会保険労務士といった資格者が本来弁護士の業務と思われる分野に参入してきていますが、とりあえず大きな問題となっている司法書士、行政書士の問題について次回以降詳しく解説していきたいと思います。

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