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「弁護士業界」勝手に解説-「弁護士費用のお話し」(4) [「弁護士業界」勝手に解説]

前回のお話は、弁護士が少額事件をどう見ているかというところのさわりまでお話しいたしましたので、今回はこの辺りを中心に解説したいと思います。

●少額事件とは?
「少額事件」といったときに一つの目安として考えるのは、簡易裁判所(以下、簡裁)の事件です。簡裁の裁判官は、司法試験合格・司法修習終了という形では選任されないので、法曹資格が必要な訳ではありません。裁判所の書記官から転身するなどの形で選任されることが多いので、取り扱える事件も訴額の大きなものではなく、140万円以下の訴額の事件に限定されています。
(これを「事物管轄」といいます。2004年の3月までは90万円以下でした。)

この簡裁の事件は、比較的訴額の小さい事件ということで、今では特別に研修を受けて認定を受けた司法書士(認定司法書士)も扱うことができるようになっています。この「扱うことができる」ということには重要な意味があり、簡易裁判所の民事訴訟の代理人になることができるというだけでなく、有償でこの範囲の法律事務を扱ったとしても弁護士法違反に問われないということを意味します。

弁護士法72条は「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」と規定しており、この法律に違反した場合には、刑罰規定(2年以下の懲役又は300万円以下の罰金)もあります。司法書士が簡裁の事物管轄の範囲で事件を扱えるのは、この規定の「他の法律に別段の定めがある場合」に該当するからで、それ以外の法律事務を有償で扱うことはできないことになっています。

※※マスダのちょっぴり解説※※
以前嵐の櫻井君が出演していたドラマで、行政書士が事件を受任して処理しているような場面が描かれていましたが、あのような事件処理を有償で行っていたとすれば弁護士法違反で犯罪になります。それを知らずに行政書士に事件を頼んで、法外な報酬をとられたという事件も発生していますので注意してください。

●少額事件受ける?受けない?
実際に事件をやって感じるのは、係争物の価格が大きいからその事件に費やす手間が多いかというと必ずしもそうとは言えないということです。事件の価格を基準にする従来の報酬の考えでは、小さな事件はその分時間単価が安くなってしまうので、多忙な弁護士であれば少額事件は敬遠しがちになります。

しかし、現在は多くの弁護士にとって、事務所を維持するだけの事件数を安定的に受任することは難しい状況にあるので、たとえ100万円の事件であっても依頼者の言い分の筋が通っていて、弁護士費用をかけてでも解決するメリットがある事件であれば受任しない弁護士の方が少ないと思います。

問題なのは、勝てる見込みがとても低い事件や勝ったとしても相手から回収する見通しが立たなくて、費用倒れに終わってしまうリスクの高い事件です。この場合には、事件の見通しを率直に伝えて、それでもやりますかということを聞かなければなりません。

そのような説明をすると、「泣き寝入りしろということですか?」と聞かれることもありますが、そのような質問をされることは弁護士にとってもかなり辛いところです。仮に、法律扶助を利用できたとしても、それは弁護士費用の立替にすぎませんので、いずれ返済する必要があります。そのようなもろもろの考慮をした結果、最終的に依頼者が損をする可能性が高いと分かっていながら受任することにはやはり躊躇せざるを得ないということになります。

それでは、費用倒れになる可能性の低い事件であればどうかというと、受任しない弁護士は少ないでしょう。日弁連の旧報酬規程によれば、100万円の事件であれば着手金は8%ですが、最低10万円以上となっているので、着手金は10万円となり。報酬は16%なので100万円まるまる認められれば16万円となります。着手金・報酬合計で26万円になる事件であれば、受任しないのはよほど恵まれている弁護士です。

●マスダならこう考える
私の場合、受任するかしないかについては、国選弁護に要する手間と報酬額を基準に考えるようにしています。国選の刑事事件の報酬は、「弁護士費用のお話し(3)」でもご説明した通り単純な事件であれば1件で7~8万円です。
単純といっても、「事件記録を謄写して検討」し、「裁判所に提出する弁論要旨を作成」し、「情状証人と打ち合わせ」をして、「被告人質問や証人尋問の準備」をする。「被告人と最低でも1~2回は接見」し、「法廷にも審理する期日で最低1回」、「判決期日1回」は出頭する必要がありますので、1件に費やす時間は最低でも20時間くらいになります。被害者のいる事件であれば、これに加えて、「被害者と示談交渉を行って、被告人に代わって被害者のところにお詫びに行く」などの必要もあります。

これだけのことをやって、7~8万円(示談すれば報酬加算もありますが…)ということを考えると、時間単価は3~4千円からもっと低くなることもあります。(熱心な弁護士であれば、被告人に会いに行く回数も多くなるので時間単価はもっと安くなります。)その国選事件と比較したら、100万円位の民事事件でも時間単価はかなり高くなりますので、喜んで受任するということになる訳です。

それより事件単価の低い事件になるとどうかということになると、それは弁護士それぞれのスタンスによるかなとも思います。私の場合は、事件に要する時間を勘案して最低でもこのくらい払ってもらえなければやれないという金額を想定して、その金額を支払って弁護士に依頼することが依頼者にとって本当にプラスになるかどうかという観点から、個別に判断しています。

したがって、自分の抱えている事件が小さな事件だから弁護士に依頼できないとか相談できないと考えてしまわないで、まずは相談して率直に弁護士に費用の話も聞いてみるのが良いでしょう。

●弁護士費用の金額は高いのか?
弁護士に相談しただけで何万円も取られると勘違いしている人がいます。企業法務を専門に行っている弁護士であれば1時間の相談料数万円という弁護士もいるようですが、一般の個人の相談でそんな金額を請求する弁護士はまずいません。

特に資力の乏しい方の場合には、法テラスの民事法律扶助(http://www.houterasu.or.jp/)を利用することで、相談者本人は無料で弁護士の相談を受けられます。法テラスの契約弁護士であれば、法テラス経由で相談しなくても相談料は法テラスから払ってもらえるので、相談の受け付けの際に確認してみると良いでしょう。(ちなみに、私の事務所の弁護士は皆法テラスの登録弁護士になっています。)

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今までは、紛争の価格に応じて弁護士費用額が変わるという前提で解説してきましたが、弁護士報酬のもう一つの考え方として『タイムチャージ』という方法があります。欧米の弁護士はほとんどがタイムチャージによっているので、次回はその解説をしたいと思います。

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