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「弁護士業界」勝手に解説-「弁護士費用のお話し」(2) [「弁護士業界」勝手に解説]

前回のお話は、弁護士費用のお話をするには弁護士の懐具合をご説明する必要があるというところで終っていました。

そこで、今回は一般的な弁護士の懐具合について解説したいと思います。とはいっても、他の弁護士の懐具合は、正直なところあまり良く分かりません。個人的な経験をもとに、私の推測も交えて解説しますので、これをお読みになった弁護士で自分の収入とは全然違うと思ってもクレームはご容赦ください。

私が弁護士登録3年後にイソ弁(居候弁護士=すでに事務所を経営している弁護士に雇用され、給与をもらう弁護士)を卒業して事務所を独立開業したのは今から約18年前になりますが、その当時のことを振り返ってみたいと思います。

当時としてはまだ少なかった「共同事務所をやってみよう」ということで、司法修習同期の弁護士と2人で事務所を開設しました。費用は折半で、開業当初は事務員2名体制、事務所の面積は約30坪で当時としてはかなり広い事務所でした。賃料は坪単価1万円程度でしたから家賃だけで月約30万円。これに事務員2名の人件費、コピー機や電話機、パソコン等のリース料も合わせると、毎月の固定費は約100万円前後となりました。

これは弁護士2名の体制ですから、弁護士1名、事務員1名のミニマムユニットの事務所では、当然経費は下がりますが、共同事務所よりも経費効率は下がるので月70~80万円前後の経費は最低見なければなりません。

また、当時は弁護士広告が原則禁止※(認められていたのは電話帳広告くらい)でしたから、仕事の受任ルートを広げるためにはいろいろな会に参加して「顔を売る」必要がありました。ロータリークラブ、ライオンズクラブや青年会議所などの会に参加して知己を広げるというのは定番の方法で、私もロータリークラブに参加していますが、それらの会でのお付き合いに要する費用が10万円を超える月もあります。なお、電話帳広告を出す場合には、その大きさにもよりますが、月額20万円程度の出費になります。
※平成12年に「弁護士の業務広告に関する規定」が施行され広告することが可能となりました。

この他に、一般の方はもちろん知らないと思いますが、意外と弁護士会費の負担がバカになりません。札幌弁護士会だけでなく、日弁連、道弁連といった会の会費を合わせると、毎月5万円以上の会費が必要になります。以前、弁護士会費を「5万円くらい」と言ったところ年額と勘違いされたことがありましたが、月額なのでこの負担は結構大きいです。

話は少し脇道にそれますが、司法修習生の給費制の問題で、弁護士になって個人収入を稼ぐ人たちに国が給与を払う必要がないという議論をよく聞きますが、そんな話を聞くと、「弁護士会費のことを知らないで言っているんだろうな。」と思ってしまいます。

各種の立法提言や人権救済活動など、弁護士会が行っている公益的活動は全て弁護士会費によってまかなわれています。弁護士会の独立性を守るために、個別に委託を受ける事業は別として、弁護士会の運営のために公的資金を受けることはありません。したがって、弁護士会費の何割かは公益的活動の資金となっているのです。

司法修習生が受ける給費は社会保険料などを入れても1年間で300万円程度だと思いますが、弁護士になったら、その後引退するまでの40年前後は毎月公益活動のための資金を会費として納め続けるだけでなく、公益活動を行う委員会活動にも無償で参加して社会を支えているということは是非ともご理解いただきたいところです。

多くの弁護士は、司法修習時代に国から給与をもらって育ててもらったことを感謝しつつ、その思いを社会に還元すべく活動しています。弁護士になる人に給与を払うことがおかしいという発想は是非とも改めていただきたいものです。

話を戻して、これまで述べた費用を合計すると、独立して事務所を維持している弁護士の月の経費は最低でも70~80万円程度、一般的には弁護士一人の事務所でも100万円くらいとみて良いでしょう。

これに弁護士個人の生活があります。実際に稼げるかどうかはともかくとして、考え方を分かりやすくするために、とりあえず弁護士の年収を1200万円と仮定して話を進めて行きます。

個人の年収1200万円に前述の事務所経費等の費用を加えた金額は年間2400万円となりますので、このくらいの収入が目標の売上額です。2400万円を12か月で均すと、月の売り上げ200万円が目標ということになります。

私自身が独立したころの感覚では、自分の生活費は月50万円程度で何とかやれそうだと思っていたので、事務所経費や交際費その他の支出を考えて、月の目標売上高を150万円程度と考えていた事を覚えています。(実際には100万円に満たない月もあれば200万円を超える月もありますが、目標を下回る月が続くと預金通帳の残高が気になります。)

さて、それではその月の売り上げをどうやって稼ぐかということなのですが、弁護士の仕事は依頼者がいて初めて成り立つものですから、どのくらいの頻度で依頼を受けることができるかということが大事になります。

例えば損害保険会社の顧問などをしていると、交通事故等のトラブル案件の依頼が定期的にあるので、通常の事件報酬は事件単価が安めであったとしても、安定収入という意味では助かります。
しかし、損害保険会社の数も多くはないので、そのような仕事があるのはごく一部の弁護士に過ぎませんから、多くの弁護士は別のルートで仕事を受任する必要があります。

弁護士が事件を受任するルートについては、いろいろあって簡単には説明できないので、ここから先はまた次回といたします。

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